無垢家具収納の選び方(Basic Kitchen Board・Basic Cup Board編)
公開日: 2026年04月28日 (更新日: 2026年04月28日)
Basicシリーズで整える収納と動線
キッチン収納で、なぜ失敗が起きるのか
キッチンボードやカップボードを選ぶとき、多くの人はまず「たくさん入るか」「サイズが収まるか」を見ます。もちろんそこは大切です。けれど、実際に後悔が生まれるのはその先です。
たとえば、収納は多いのに出し入れしづらい。上段にしまった器が取りにくく、結局いつも同じ物しか使わない。オープンスペースはあるのに、見せたいものと隠したいものが混ざって雑然と見える。収納家具そのものは立派でも、暮らしの流れに合っていなければ、使うたびに小さなストレスが積み重なっていきます。
ここで見落とされやすいのが、収納家具は「物を収める箱」ではなく、「動き方を整える道具」だということです。
キッチンでは、取り出す、並べる、使う、戻すという動作が毎日繰り返されます。その流れがスムーズであるほど、片づけは苦にならず、空間も乱れにくくなります。逆に、どこに何を入れるべきか迷う設計だと、収納量があっても整いません。だからこそ、無垢家具の収納を選ぶときは、容量の多さよりも先に「暮らしの流れに合うか」を見る必要があります。

失敗しないための結論
収納家具は「動線」「収納」「景色」の順で選ぶ
無垢のキッチン収納で失敗しないためには、次の順番で考えるのが最も合理的です。
まず動線。
次に収納。
最後に景色です。
この順番が重要なのは、収納家具の満足度が「どう見えるか」より先に、「どう使うか」で決まるからです。使いにくい収納は、どれだけ見た目が美しくても長くは愛用されません。反対に、よく使う器や道具が自然な位置に収まり、開け閉めが気持ちよく、視界に入っても落ち着く家具は、日々の中で信頼される存在になります。
Basic Kitchen BoardとBasic Cup Boardは、その順番で見たときに筋が通っています。Kitchen Boardは“飾る”と“しまう”を両方叶えることをコンセプトに、オープンスペースと収納の両立を図っています。Cup Boardは、使い勝手を追求したシンプルなカップボードとして、より静かに収納の本質へ寄せています。つまり、どちらも「見た目のために機能を犠牲にした家具」ではなく、使いやすさが美しさに繋がる家具として成立しています。
① 動線から選ぶ
キッチンの動線というと、「冷蔵庫からシンク、シンクからコンロへ」といった大きな動きを想像しがちです。けれど、収納家具においてもっと大事なのは、一つひとつの動作で迷わないことです。
器を取る。カトラリーを出す。コーヒー道具を並べる。使ったら戻す。この一連の動きが自然であれば、片づけは習慣になります。逆に、「これはどこに戻そう」「ここだと取りにくい」と感じる瞬間が増えるほど、収納は崩れます。
Basic Kitchen Boardは、その“迷い”を減らしやすい構成です。毎日使うコーヒーセットや果物、すぐ手に取りたいものはオープンスペースに。食器や鍋、クロス、カトラリーは下段の引き戸収納などそれぞれ適した場所へ。
用途に応じた収納を可能にする、サイズの異なる引き出しや可動棚の設計も、日常の動線を後押ししています。

一方、Basic Cup Boardの魅力は、幅850mmという抑えたサイズの中に、上段棚、中央引き出し、下段扉収納がまっすぐ並ぶ構成です。収納の役割分担がわかりやすく、器や食品、リネン類を迷いなく収めやすい。上段にはお気に入りの器を、下段には隠しておきたい食品や日用品を、中央の引き出しには細かなツールを。構成が素直だからこそ、使う人の暮らしに合わせたルールがつくりやすいのです。

ここで重要なのは、動線が短いことより、動線が自然であることです。
Basicシリーズは、必要以上に複雑な仕切りやギミックを入れていません。
収納は、最初から答えを固定しすぎると、暮らしの変化に弱くなります。家電が変わる。食器が増える。子どもの成長で使うものが変わる。その変化に対応できる余白があることも、動線設計の一部です。
② 収納で選ぶ
収納家具は、つい容量で比較されがちです。
ですが、実際に満足度を左右するのは「収まる量」ではなく、「使い切れる構造かどうか」です。奥にしまい込んだ器を使わなくなるのは、収納が足りないからではなく、使いやすく設計されていないからです。
Basic Kitchen Boardの収納設計は、この点が明快です。上部・下部ともに可動棚があり、50mm間隔で3段階調整できます。上部には棚板2枚、下段引き戸内には棚板4枚があり、収納物に応じて高さを調整できます。鍋や家電まわりのように高さが必要なものもあれば、食器や保存容器のように段数を増やして収めたいものもある。固定棚だとこの自由度がないため、収納はすぐに「入るけれど使いにくい」状態になりがちです。Basic Kitchen Boardは、そのズレを起こしにくい設計です。

Basic Cup Boardも同様に、棚板は可動式で、5cm間隔・3段階調整が可能です。しかも、安定感のある無垢の棚板が器をしっかり支えるように考えられています。日々使う器は思っている以上に重く、数が増えるほど棚には負荷がかかります。ここで“見た目だけの軽さ”ではなく、ちゃんと支える安心感があることは、長く使う家具としてとても大切です。毎日の開閉が心地よく感じられるよう、取手やレールの動きにも配慮されている点も、使い勝手の質を上げています。
また、Basic Cup Boardの引き出しには、防湿・防虫性の高い桐が一部に使われています。これは単なる素材のこだわりではありません。収納家具は、中に入れるものを守る機能も持つべきだという考え方です。

さらに、真鍮の取っ手は使い込むほどに表情を深め、ヴィンテージのような風合いに変わっていきます。無垢材の経年変化と真鍮の変化が呼応することで、収納家具そのものが時間を重ねる存在になります。

収納においてもう一つ大切なのが、見せる収納と隠す収納のバランスです。
Basic Kitchen Boardはオープンスペースを持つことで、“飾る”と“しまう”を両立させています。毎朝使うコーヒーセット、果物、かご、小さなグリーンなどは見せながら置ける。一方で、雑多になりやすいものは引き出しや下段収納へ。
Basic Cup Boardは上段がクリアガラス、下段が無垢扉という構成により、お気に入りの器は見せ、生活感が出やすいものは隠すという使い分けがしやすくなっています。どちらも、「全部隠す」でも「全部見せる」でもなく、暮らしの景色を整えるための収納の濃淡がつくれるのが魅力です。
③ 空間で選ぶ
キッチンボードやカップボードは、サイズの大きい家具です。
だからこそ、空間に与える影響も大きい。ここで装飾が強すぎたり、圧迫感があったりすると、どれだけ機能的でも心地よさは続きません。
Basicシリーズが優れているのは、無垢材の存在感を持ちながら、空間に圧をかけすぎないことです。両モデルとも高さは1580mmに抑えられており、最上段に手が届く使いやすさと、視線を遮りすぎない軽やかさを両立しています。
収納家具は背が高いほど容量は増やせますが、その分だけ壁のような存在になりがちです。Basicシリーズは、その手前で止めることで、収納量と圧迫感のバランスをとっています。
素材面でも、本体にはオークまたはウォルナットの無垢材が使われています。無垢材は木目の出方が一つひとつ異なり、使うほどに色艶が変わるため、暮らしの中で少しずつその家の表情になっていく家具になります。

Basic Cup Boardではさらに、背板にオークまたはウォルナットの両面突板合板を採用しています。これは、壁付け前提の“見えない背面”として処理するのではなく、どこから見ても違和感がない家具としてデザインされています。ガラス扉越しに背面が見える場面や、壁から少し離した配置でも、空間全体の質感が崩れにくい。
この背面への配慮は、収納家具を「壁に沿って置く設備」ではなく、「空間に置かれる家具」としてデザインしているためです。

④ Basic Kitchen BoardとBasic Cup Board
この2つは同じBasicシリーズですが、選ぶ基準は少し異なります。
Basic Kitchen Boardは、“使う”の中心を担う家具です。
上部収納、オープンスペース、引き出し、下段収納という構成により、調理に関わる道具、日常使いの器、家電まわり、飾りたいものまでを一台で受け止めやすい。とくに中央オープンスペースの存在は大きく、単なる収納家具ではなく、日々の作業や見せ場を引き受ける家具として機能します。サイズの違う引き出しや可動棚によって、収納物の種類が多い家庭でも対応しやすいのが強みです。

一方、Basic Cup Boardは、“整える”の中心を担う家具です。
幅850mmのすっきりしたサイズ感の中に、見せる棚、細かなものを収める引き出し、隠す収納が整理されています。キッチンの主役になるというより、ダイニングやリビングに置いたときに静かに空間を整える力がある。高さも抑えられているため、圧迫感が少なく、食器棚としてだけでなく、暮らしの景色をつくる収納家具として使いやすいのが特徴です。

つまり、
→作業や家電を含めてキッチン機能を一台に集約したいならBasic Kitchen Board。
→器や日用品を美しく整理し、空間まで整えたいならBasic Cup Board。
この違いで考えると選びやすくなります。
無垢家具として選ぶ価値
greenicheが無垢家具を選ぶ一番の理由は、使うほどに愛着が増していくことにあります。
素材の質感や手ざわり、開け閉めの感触、経年変化の美しさ。
その瞬間だけ整って見える収納ではなく、暮らしの変化を受け止めながら、10年後、20年後と長く使うことを前提にした家具をつくること。オーダー後に製作を開始し、サイズ変更やパーツごとの樹種変更にも相談対応しているのは、使う人の暮らしに合わせることを優先しているからです。
まとめ
収納家具を選ぶことは、暮らしの流れを選ぶこと
無垢家具のキッチン収納を選ぶとき、本当に見るべきなのは次の3つです。
まず、動線に合っているか。
次に、使い切れる収納になっているか。
最後に、空間の景色を整えてくれるか。
Basic Kitchen BoardとBasic Cup Boardは、この3つに対してそれぞれ異なる答えを持っています。Kitchen Boardは、“飾る”と“しまう”を両立しながら、作業と収納を一台で支える存在。Cup Boardは、使い勝手を追求したシンプルな設計で、器や日用品を静かに整える存在です。どちらも共通しているのは、無垢材の豊かな表情と、普段使いに適した高さ、可動棚による柔軟性、そして長く使うことを前提にした思想です。
収納家具は、単に物を入れるための箱ではありません。
その人の暮らし方を映し、家の景色をつくるものです。
だからこそ選ぶべきなのは、「たくさん入る家具」ではなく、整い続ける仕組みを持った家具です。
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